線形結合
c0a0+c1a1+⋯+cn−1an−1=i∈n∑ciai
をSEQa0,a1,⋯,an−1の線形結合という。
たとえば、はの線形結合である。
線形独立
次の条件を満たすとき、a0,a1,⋯,an−1が線形独立であるという。
「c0a0+c1a1+⋯+cn−1an−1=∑i∈nciaiとなるのがc0=c1=⋯=cn−1=0のときのみ。」
空列は線形独立である。
線形従属
a0,a1,⋯,an−1が線形独立でないとき、線形従属とする。
線形独立と行列のランク
線形空間Knを考える。A=(a0a1⋯an−1)とおく。
斉次(さいじ)線型方程式Ax=0を考える。
線形独立の定義は、「x=0のみが解」と言い換えられる。
斉次線型方程式の解が唯一であるのは自由度が0であるときであった。
つまり、KnのSEQが線形結合かどうかは、行列のランクを調べればわかる。
線形独立性の性質
- 零ベクトルを含むなら、線形従属
- 線形従属なSEQにベクトルを追加しても線形従属
- 線形独立なSEQからベクトルを除いても線形独立
- Knのベクトルはn+1本以上なら線形従属
証明
4. について。
条件にあうベクトルを並べると、m>nの行列n×mAということになる。
rankA<nより、m−rankA>m−n>0となる。よって、自由度は0より大きいので線形従属。
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SEQでなく集合でもいいように見えるが、SEQと行列の同一視をよく行うため、SEQとして定義しておいたほうが都合がよい。
例えば、ki∈Kによるスカラー倍の和を∑i∈nki⋅ai=t(k0k1⋯kn−1)⋅(a0a1⋯an−1)のように記述する。